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>>今月のちょっと贅沢に食してみる特集は、『アイスワイン』の特集です。
アイスワインって何?どうしてカナダ?
- 自然凍結した葡萄から造られる果糖度の高い最高級ワインです。
果汁の氷点が水の氷点より低いことを利用して、葡萄から凍った水分だけ取り除くことにより濃縮された果汁が出来ます。その果汁から造られるのがアイスワインです。
アイスワインは生産に厳しい規則がありドイツ、オーストリア、カナダ以外での生産は認めらてはいません。偽物もでまわっているので注意して下さい。偽物については偽者注意をお読みください。
その製法は極めて特殊
- 収穫される葡萄(ぶどう)は枝になったままで完熟であること
- 普通のワイン用の葡萄の収穫は10月ぐらい
アイスワイン用の葡萄は12月〜1月ぐらいまで収穫しない
- -8度以下の日が3日続いたときの早朝(深夜の作業もあるとか…)に手摘みでを収穫
- 収穫されると直ちにプレスされ凍った水分は取り除く
(わかりやすく言うと、カキ氷をストローで吸うと氷が残るでしょ?甘いシロップだけ吸いだす感じです。)
葡萄(ぶどう)が完熟になる時期に(2.)の環境が整わないと造ることすらできません。つまりアイスワインは非常に手間がかかるうえに製法も特殊であるために希少な最高級ワインなのです。
ドイツで生産されていたアイスワインはオーストリアでも生産されるようになりました。
またカナダのオンタリオ州ナイアガラ・オン・ザ・レイク、ブリティッシュ・コロンビア州オカナガン・バレーは良質の葡萄の採れる土壌と厳しい気候がアイスワインの生産に理想的なことがわかり1980年頃に生産が開始。
理想的な環境を求めてドイツから移住者が開いたワインセラーも多数あります。
近年、温暖化の影響もありドイツ、オーストリアでは安定してアイスワインを造れない状況にあります。カナダでは理想的な環境+アイスワインの製法に厳格な規則がもうけられていることもあり現在カナダ産アイスワインは世界的地位を獲得しています。
1991年に世界的ワインコンクール、フランスのヴァン・エキスポで金メダルを受賞したほか数々のコンクールで受賞しカナダ産アイスワインは世界ブランドとなっている。
カナダ産アイスワインは世界最高級の世界最高品質と言われるほどです。
アイスワインの起源
- アイスワインなどの遅摘みワインの起源はドイツです。
昔のドイツでは葡萄などはその土地のご領主様の許可がないと収穫してはいけなかったそうです。許可を取りにいった人がもたついてなかなか帰ってこない間に寒波がきて、葡萄が凍りつきしわしわで形の粗悪なものになってしまったそうです。
駄目でもともとで搾ってみると通常量より少量の果汁がとれ、それは今まで味わったことがない甘さと独特の香りに満ちている。そうやって造られたワインがアイスワインの起源です。その甘さもさることながら偶然がよんだ奇跡の一滴。
どうしてこんな高価なの?
- ここまで読んでくださった方はもう言わなくてもわかると思います。
アイスワインの真の価値がわかる人にとってそれは高価ではなくむしろ安いといっても大袈裟ではないでしょう。
高価な理由は
- 収穫時期が普通のワインの2〜3ヶ月後であるために鳥類、虫の被害。凍る前に腐ってしまう等の理由により葡萄の収穫量が極めて少ない。
- 水分を凍らせて搾るために通常より10分の1程しか果汁がとれない。
葡萄の使用量:
10本の通常ワイン = 1本のアイスワイン (およその数値です)
- -8度以下の環境のもと手摘みで作業する必要があり、収穫は深夜や早朝。大変過酷な労働となる。
どれほど希少価値の高いワインかわかっていただけたかと思います。
偽物要注意!
- 最近、アイスワインを名乗った類似品やあからさまな偽物が日本市場に出まわるようになりました。消費者の皆様には充分ご注意を頂き、本物か偽物かの見極めを出来るだけして頂けますようお願い致します。
いわゆる世界で認知されているアイスワインは、アイスワインを造る法律を定めた上で、厳しい品質管理が施され味わいも豊かな香りと濃縮された甘さ、これらが全て天然製法で造られることが出来る国(ドイツ、オーストリア、カナダのみ)だけです。
日本ではアイスワインの規定を定めた法律がないためにフルーツワインや甘口ワインをアイスワインと称して売ることに問題は無いのだそうです。
これは悲しいことであり、フルーツワインはフルーツワイン、甘口ワインは甘口ワインとしてアイスワインはアイスワインとして提供して欲しいというのが私の思いです。
偽物を見分ける点
- ブドウ以外の果物で造った「フルーツアイスワイン」と称されるもの=偽物です。
- 価格が1500円とか3000円というように極端に安いもの(その値段は不可能)
- 日本国原産のアイスワイン=は単なる甘口ワインでアイスワインの定義に全くあてはまりません。
- 生産された国、ワイナリー名、住所、などの生産者情報がラベルに書かれているかお確かめ下さい。
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使われたブドウ品種が書かれているかお確かめ下さい。
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収穫日データ、果糖度が書かれているかお確かめ下さい。(注・本物で書かれていないものもあります)
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販売しているお店の方によく聞いて下さい。商品知識の無いお店から買うのは間違いの元です。
以下は本物のアイスワインの紹介です。是非、ご賞味下さい。
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カナダのアイスワインを代表するブランド |
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■名前: 白アイスワイン・ビダル
(ICE WINE Vidal 2001)
■葡萄(ぶどう): ビダル
■メーカー: Inniskillin
■アルコール度: 9.5%
■果糖度: 40%
■価格: 12600円(非課税)
カナダ最大手イニスキリン・ワイナリー社のアイスワインです。莫大な資本力と生産能力で、このワイナリーが作るアイスワインだけで、全ドイツのアイスワインの生産量を上回ると言われています。
ビダルという品種は香りがなかなか引き出せない特徴のちょっと駄々っ子な葡萄(ぶどう)です。そんなわがままなビダルをオーク樽で熟成させることによりオーク樽の香りをしっかりつけることが出来ています。
ハワイやグアムなどの外国の免税店で売られているため意外なことに、カナダ国内ではあまり手に入りません。
カナダはもとより、今では世界のアイスワイン界をリードしているのです。アイスワイン愛好家にとっては、一度は体験しなければならないアイスワインと言えます。
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天然製法のデザートワインを感じることができる究極の逸品 |
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■名前: 白アイスワイン・リースリング
(ICE WINE Riesling 1999)
■葡萄(ぶどう): リースリング
■メーカー: Inniskillin
■アルコール度: 10.5%
■果糖度: 39.4%
■価格: 12600円(非課税)
カナダ最大手イニスキリン・ワイナリー社のアイスワインです。莫大な資本力と生産能力で、このワイナリーが作るアイスワインだけで、全ドイツのアイスワインの生産量を上回ると言われています。
リースリングという品種は、ドイツの高級白ワインのほとんどに使われているのでドイツワイン好きな人にはおなじみかと思います。
独特の香り、バランスのよい酸味と甘味のある いいとこのお嬢様みたいな葡萄(ぶどう)です
『白ワインと言えばシャルドネでしょう?』っていう人はドイツの方に叩かれて下さい。
このアイスワインはリースリング特有の酸味と甘さのバランスがしっかり取れているのでいつまでも余韻が残ります。
天然製法のデザートワインをいつまでも感じることができる究極の逸品です。
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大切な方へのワインの贈り物 & 記念日のワイン |
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■名前: 3本セット
左から順に
赤アイスワイン
(RED Ice Wine Merlot 2000)
白アイスワイン
(Chardonnay 1998)
白アイスワイン
(Riesling 2000)
■葡萄(ぶどう): メルロー、シャルドネ、リースリング
■メーカー: LANGE Vinyard Winery
■価格: 18500円(非課税)
オーナーのブンダーさんはドイツからカナダに移民したワイン職人です。生粋のドイツ人らしく、そのアイスワイン造りに対する頑固な姿勢は脱帽です。彼の顔の表情そのものを彷彿とさせる重く堅いイメージに満ちたアイスワインです。シャルドネのアイスワインは1998年産が最終ビンテージですから、もう2度と作られることのない貴重なアイスワインです。
メルロー種を100%使った赤アイスワインは、ここまで赤い色が出るのか!と思わせるほど完成度の高い仕上がりで、香りは申し分ありません。甘さも充分に満ちていますから、自信を持ってお勧めできる逸品です。
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フレッシュな香りとエレガントな優しさに満ちた女性的な仕上がり |
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■名前: 白アイスワイン・エーレンフェルザー
(ICE WINE Ehrenfelser 1999)
■葡萄(ぶどう): エーレンフェルザー
■メーカー: Gehringer Bros Estate Winery
■アルコール度: 10%未満
■果糖度: 42%
■価格: 8000円(非課税)
エーレンフェルザー、まるで気品あふれる貴婦人みたいな名前です。
しかし、その名の由来は大人の魅力溢れるマダムが作ったというわけではなくお城の名前だそうです。
エーレンフェルザーという品種は、リースリングとシルバーナーの交配種です。リースリングはドイツの高級白ワインの代表、シルバーナーはドイツで古くから栽培されている白用葡萄(ぶどう)です。
ドイツ白ワイン界のドンとドイツ白ワイン界の名家の子が結婚して生まれたのですから、やはり気品あふれる貴婦人なのでしょうエーレンフェルザーという葡萄(ぶどう)は。
彼女から作られるアイスワインは女性的な仕上がりになる特徴があるのですが、酸味が強くなるあまり、甘さがかき消されてしまうものも多い。
ですが、このアイスワインはとても優しく、甘さも充分な仕上がりになっています。フレッシュな香りとエレガントな優しさに満ちた女性的なアイスワインをいかがですか。
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柔らかさより、力強さを強調するアイスワイン |
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■名前: 赤アイスワイン・カベルネフラン
(RED ICE WINE Cabernet Franc 2000)
■葡萄(ぶどう): カベルネフラン
■メーカー: Gehringer Bros Estate Winery
■アルコール度: 12%未満
■果糖度: 39.4%
■価格: 8000円(非課税)
ゲリンガーブラザーズ社の赤アイスワインは、赤特有の香りを充分に醸し出すことに成功したため、想像以上に深い香りを楽しむことができます。
カベルネフラン、カベルネといったら赤ワインの王様カベルネソーヴィニヨンのほうが有名ですが、DNA研究によりそのソーヴィニヨンのパパ(ママ?)ということが発覚。
そんな隠し子が有名人という昼ドラマの主人公みたいなカベルネフランという葡萄(ぶどう)からできるワインは
ブレンド用に使われることが多いのですがこのアイスワインはこの品種で作られています。
果糖とアルコール度のバランスは果糖度が低く、アルコール度が高めのため、柔らかさより、力強さを強調するアイスワインに仕上がっています。
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愛好家からの評価が非常に高いスラムカ社のアイスワイン |
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■名前: 白ワイン・オキシラ
(Auxerrois 1999)
■葡萄(ぶどう): オキシラ
■メーカー: Slamka Winery
■アルコール度: 10%
■果糖度: 40%
■価格: 8000円(非課税)
アイスワイン愛好家からの評価が非常に高いスラムカ社のアイスワインは、オキシラ種を100%使っています。
カナダのアイスワインは、完全な供給不足となっています。世界的に人気の高いカナダのアイスワインは、生産量はごくわずかですから、世界中からの引き合いに対して、すぐに売れてしまう訳です。従って、市場に出回るビンテージも2〜3年前のものを探すことは難しく、古いビンテージを求めることは大変困難なのです。このスラムカワイナリー社は、オーナーであり職人であるピーター氏が、1997年産アイスワインが豊作だったことと、もともと小さなワイナリーのため、それほどの販売力が無かったため、ほとんど売らずにボトル醸造させていました。
そして段階的に約3年〜5年にかけてボトリングされた、このアイスワインは酸味や苦みを一切感じさせない濃縮感の強いアイスワインに仕上がりました。
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遅積みブドウの甘口デザートワイン |
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■名前: 甘口デザートワイン
(Pinot Blanc 2001)
■葡萄(ぶどう): ピノブラン
■メーカー: St.Hubertus Estate Winery
■アルコール度: 13%
■価格: 4500円(非課税)
このワインはアイスワインではなくレイトハーベスト(甘口のデザートワイン)です。
アイスワインの収穫は、天候に左右される前時代的な製法のため、非常にギャンブル性が高くなります。
ワイナリーは、もしアイスワインが出来なかった時のリスク回避として、アイスワインの前段階で収穫したブドウから、ワインを作ります。
こうして出来上がったワインは、アイスワインほどの甘さはありませんが、普通の甘口ワインより遙かに高い甘さを有します。これが甘口デザートワインとなるレイトハーベストワインなのです。
日本ではレイトハーベストワインの総称が、まだまだ知られていません。濃縮感が無いぶんだけ、ストレートなアルコール分と甘さのバランスが楽しめますから、一度はお試し頂く価値のあるワインです。
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ワイナリー史上2番目の出来 |
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■名前: 白アイスワイン・ピノブラン
(ICE WINE Pinot Blanc 2002)
■葡萄(ぶどう): ピノブラン
■メーカー: St.Hubertus Estate Winery
■アルコール度: 7.6%
■果糖度: 50.4%
■価格: 8000円(非課税)
『この年は、極度な暖冬に襲われたため、オカナガン地方の7割のワイナリーがアイスワインを作ることができませんでした。当ワイナリーは最後までアイスワインの収穫を待ち続け、その甲斐あって年明けの2月24日にアイスワインとしての収穫に成功しました。抽出した果糖度は、なんと50.4%でした。最高の値が2000年産の56%ですから、今回のアイスワインは史上2番目の出来となります。
』
アイスワインの出来映えを大きく左右させるのが抽出した果糖度の数値です。
その年のブドウの育成具合や、天候、収穫のタイミングなど、様々な要因が伴うことで毎年同じ出来映えにならないことも、アイスワインが神秘のワインと言われる由縁です。カナダのアイスワインの中では、2000年産のSt.Hubertus ワイナリー社の製品が、果糖度56%という最高の数値を記録しましたが、同じワイナリーの作ったこの2002年産は、50.4%という過去2番目の高い数値になりました。
アイスワインは普通、果糖度が38〜42%になりますから、50%を越える果糖度は、いかに優れた製品であるかということが分かります。酸味が無く、極限の天然の甘さを追求したアイスワインとなっています。
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甘味(白)+渋み、風味(赤)=薄い薄いピンク☆ |
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■名前: 赤アイスワイン・ピノノアール
(RED ICE WINE Pinot Noir 2001)
■葡萄(ぶどう): ピノノアール
■メーカー: St.Hubertus Estate Winery
■アルコール度: 11.5%未満
■果糖度: 39%
■価格: 8500円(非課税)
もともとアイスワインというのは、白の品種から作られるものです。天然の果糖エキスだけを醸造し、極限の甘さを求めるため、白の品種で作られるのが一般的でした。
1998年頃から、カナダの一部のワイナリーで、赤の品種によるアイスワイン作りが見られるようになりました。赤の品種でアイスワインを作った場合、赤特有の色や香りをアイスワインに染みこませますが、その時にタンニンという苦みの成分もアイスワインについてしまいます。
つまり、甘いワインのはずなのに渋くなるという反作用効果が生じてしまう訳です。この一見、邪道とも見える赤アイスワインは、一般的に作ること自体が難しいと言われているアイスワインの中で、さらに難しさを極める製法により誕生します。
アイスワインに赤の美しさと風味を。そんな職人のロマンが生み出した薄い薄いピンクの美しいアイスワインです。 |
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醸造後に3年間の長期熟成を果たし、濃縮した甘さが魅力 |
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■名前: 白アイスワイン・オキシラ
(ICE WINE Auxerrois 1997)
■葡萄(ぶどう): オキシラ
■メーカー: Slamka Winery
■アルコール度: 10%
■果糖度: 40%
■価格: 8000円(非課税)
アイスワイン愛好家からの評価が非常に高いスラムカ社のアイスワインは、オキシラ種を100%使っています。
カナダのアイスワインは、完全な供給不足となっています。世界的に人気の高いカナダのアイスワインは、生産量はごくわずかですから、世界中からの引き合いに対して、すぐに売れてしまう訳です。従って、市場に出回るビンテージも2〜3年前のものを探すことは難しく、古いビンテージを求めることは大変困難なのです。このスラムカワイナリー社は、オーナーであり職人であるピーター氏が、1997年産アイスワインが豊作だったことと、もともと小さなワイナリーのため、それほどの販売力が無かったため、ほとんど売らずにボトル醸造させていました。
そして段階的に約3年〜5年にかけてボトリングされた、このアイスワインは酸味や苦みを一切感じさせない濃縮感の強いアイスワインに仕上がりました。
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